Kiyoaki Takashima/ 高嶋清明のBLOG

投稿者: 高嶋 清明

  • 蛹の帯糸がズレる

    【昆虫じっくり観察】より

    もう何度もチョウの蛹化を撮影していて、全く気づかずにいた事実。
    それがタイトルにある「帯糸をずらし」行動です。
    腹端の皮を脱いだ直後、体をぐるぐる捻って脱皮殻を落とす時に同時に起きています。

    帯糸のかかっている位置に注目です。
    この位置にかかっている帯糸を
    ここまでずらします。

    この帯糸ずらしは、アゲハの蛹化でも、モンシロチョウの蛹化でも、同じタイミングで行われています。自分の撮影動画で確認しました。チョウの蛹化を何度も撮影してきて、最近まで全く気づかずにいました。私自身はそのことが1番の驚きでした。

  • アゲハの蛹化映像より

    【昆虫じっくり観察】より

    これは9年前、2017年6月13日撮影の動画です。気門の抜け殻である白線に注目した時、最後に現れる前方の2本について蛹側がなんだか不明瞭で、これらはいったいどこに向かっているのだろうと早送り早戻しを繰り返しているうちに、実に面白いことに気づきました。

    一つは写真で赤矢印の先にある気門から出る白線です。この白線は幼虫側は表に出ていて明瞭ですが、蛹側は後翅の下に潜り込んで、蛹化後は見えなくなります。ネットで得られる情報からは腹部第1節の気門からの抜け殻となりますが、何だか納得できないものがあります。

    01分25秒。赤矢印の先が問題1つめの気門
    02分20秒。蛹側の気門は後翅の下にあるらしい

    もう一つ前方に現れる白線がさらに謎です。蛹側では前翅と後翅の隙間に入っていき、幼虫側は中胸と後胸の境目から現われますが、気門らしいものは確認できません。蛹化の時にだけ現れる「まぼろしの気門」です。ちなみに前胸の気門はもっと前方にあり、幼虫時はとても明瞭です(蛹の気門は映像ではよく見えず)。まぼろしの気門は中胸気門か後胸気門に違いありませんが、どっちなんだろう?

    03分25秒。黄色が前胸の気門。赤紫で示すのが問題2つめの気門。
    3分33秒。

    私がチョウについて調べる時にとても頼りにしている「ぷてろんワールド」では、チョウの気門の数と位置について次のように紹介されています。
    幼虫 → 胸部(前胸に一対)と腹部(第1から第8節まで、各節に一対)
    成虫 → 胸部(前胸と中胸の間に一対、中胸と後胸の間に一対)と腹部(第1から第7節まで、各節に一対)

    幼虫では腹部に8対の気門なのに成虫になると7対になるとする説明が興味深いです。なぜならアゲハが蛹になったとき腹部に見えているのは確かに7対。そして胸の方は、蛹になっても見えている前胸の1対と、翅の下に隠れた2対があるからです!!

  • YouTube【昆虫じっくり観察】

    https://www.youtube.com/playlist?list=PLDHrETDZq8lk

    最近、これまで撮影した動画の中から【昆虫じっくり観察】と称して、10分を超えるノーカット版をアップしています。この夏、我が家に4Kテレビを入れたことがきっかけでした。自分のYouTube動画を見てみると、必要以上にアップにしたり、続きを見たいところでカットしたり、何だかストレスいっぱいになりました。

    4K動画のポテンシャルは、テレビで見るとより一層際立ちます(私がテレビで育った世代だから?)。これまで視聴者のためにと良かれと思って加えた編集は、全く余計なことだったのかもしれません。余計な手を加えずに撮ったままの映像を、カットもせずにお見せすれば十分だったのです。見たい場面は早送りや早戻しで選び、拡大したい部分は2本指で広げればいい。鑑賞のスタイルは視聴者に委ねることで、一人ひとりに新しい発見や体験が生まれるのだと気づかされました。

    私自身も、自分のアップした【昆虫じっくり観察】映像から、実は、度々新たな発見があることに驚いています。

  • マツノマダラカミキリ

    庄内砂丘の松枯れのニュースはこれまでもよく聞いていましたが、昨年は被害甚大だったようです。迂闊にも気づかずに、あまりの荒廃ぶりに唖然としたのは今年3月の事でした。

    2026年3月20日 鶴岡市湯野浜
    2026年3月20日 鶴岡市湯野浜

    ファミマの脇から入ったところです。あまりの変貌ぶりに、以前の光景を重ねようにも、もうどこがどこか分かりません。

    松枯れは、マツノマダラカミキリの体内に寄生しているマツノザイセンチュウによって引き起こされます。線虫はマツノマダラカミキリが枝をかじる時に松に侵入し、数カ月のうちに松の中で爆発的に増殖。その結果、水分を運ぶ「仮道管」を詰まらせてしまいマツを急速に枯死させてしまうのだ、そうです。

    松枯れが進んでいるならマツノマダラカミキリが多数いるはずなのに、実は私、見たことがありませんでした。見ようとも思ってなく、そうなると全然気がつかないものです。

    下の個体と比べると長い触角 雄で間違いないでしょう

    ところが、ふと道脇の若い黒松に眼をやると何とすぐに一匹見つかってしまいました。
    撮影画像をチェックすると枝をかじった生々しい傷がストロボ照射でよく写っています。長時間に渡ってこの場にとどまって摂食しているようです。

    触角が短め おそらく雌

    眼が慣れてくると、周囲に次々に見つかります。これは大変な事態と実感しました。

    マツの枝によく似ていて、ぱっと見たところでは気づきにくい
    中央の2本にそれぞれ一匹。密度高い!
    若い松も健康そうなところは少なめ 枯れ死しているのが目立ちます
    これもおそらくマツノマダラカミキリがかじった痕

    庄内の松枯れはかなり深刻な状況です。マツノマダラカミキリの個体密度の高さに絶望的な気持ちになりました。江戸時代から続く広大な松林は、もはや風前のともしびと言っていいでしょう。

  • ヒトスジシマカの吸血

    ヒトスジシマカの吸血シーン。α9Ⅲでワンランク上を目指して試行錯誤を重ねています。
    最近は基本100mmマクロ+テレコンですが、これだとかなり撮りにくくギブアップ!

    古いZuikoマクロ38mmを使ってみたら目指すものに近づくことができました。
    35mmフルサイズでの超マクロは我慢が多いです。マイクロフォーサーズのグローバルシャッター機の登場を心待ちにしてます。