夕方、庄内砂丘の林(iの村)にて、ゼフィルスの卵を探しました。
深度合成のモデルさんになってもらうため、見つけたら枝ごと持ち帰ります。
こちらはコナラで見つけたもの。
アカシジミ?それともウラナミアカシジミ?
実は庄内でのゼフィルス探しはあまりちゃんとやってなく、アカシジミはまだ成虫も見ていませんでした。

アカシジミは産卵直後、卵の周りをゴミのようなものでおおい、わかりにくくします。
表面には突起がなく、ゴルフボールのように細かいへこみがあります。
天気は悪くとも、気温は高めで5℃以上にあがりました。
そのためでしょうか。少し前から気になっていた雪の上のマルトビムシが、この日は特にたくさん雪上を歩いていました。

黒い点はすべてマルトビムシ。たぶん同じ種類と思われます。
広い雪原のどこもがこんな密度。全体の数は・・・想像するだけで恐ろしくなります。

お腹側から見ると、巨大な跳躍器が見えます。
コレをバネのように使って、数10㎝ジャンプします。体長1mmほどの虫が!
雪の上の落ち葉には、特にたくさん集まっています。肉眼ではよく見えませんが、落ち葉を食べているようです。

後ろから見た姿に思ったこと。「あれ〜!しんちゃん!」
ほっぺの感じです。似てないですか?

てくてく歩いている姿も、結構カワイイ。
ゼフィルスの卵をいくつか撮影しながら、今こそ自分も深度合成を試してみなければならないと思いました。
常々、高倍率の画質の悪さとは、だましだましつき合ってきましたが、深度合成がその解決策となってくれることに最近になってようやく気づきました。絞れないなら、浅めの画質のいいところで深度合成をすればいい・・・
もうしばらく前から海野さんは積極的に使っておられますし、永幡さんもやっています。
私も昨年暮れから、ようやく(!)Photoshopを本格的に使いはじめて、ソフト上は深度合成も可能になりました。
ただ、これをやるには、正確にピントを移動させながら複数枚撮影しなければなりません。
直径1mmほどのシジミチョウの卵が被写体ですから、それなりの機材が必要です。
そして、ようやく試す環境が整いました。ミズイロオナガシジミの卵でテスト撮影です。

撮影倍率5×。絞りはF5.6。ボディは7Dです。
0.05mm間隔でピント位置をずらした9枚の画像を「レイヤーを自動整列」→「レイヤーを自動合成」で1枚のピントの深い写真にします。
マクロ撮影ではピントを深く取るために絞るのが基本。
ですがデジカメの画素数がアップするにつれてこの常識が当てはまらないケースが増えています。
愛用のキャノンのMP-E65mmも、最大倍率5×では絞って撮っては問題ありです。
これだけの高倍率になると、絞ったときの「小絞りボケ」(回折現象)がかなりヒドく、使い物にならないレベルに画質が落ちてしまいます。
F16まで絞った場合、1×〜2×は特に不満ないのですが、3×くらいから怪しくなってきて、4×以上はNGと見ています。
あくまでも私個人の評価ですが。
あらためて比較してみましたが、驚きの結果がでました。最大倍率5×での部分アップです。
左がF16まで絞った画像、右がF8での画像。それぞれピクセル等倍です。

最小絞りがこんなにひどいとは・・・あらためて驚きました。
もう少し突っ込んでみると、F5.6は更に画質がいいようです。そして、F4まで開けると、色収差が出てきました。
これで決まりです。深度合成はF5.6で行く事にしました。
結果は冒頭の画像です。期待以上の高画質が得られました。
↓ピクセル等倍で見るとよくわかります。

全く動かない被写体でしかできない撮影法ですが、かなり有効です。
コナラ・ミズナラの冬芽を見てまわっていると、色々面白いものが見つかります。
この日見つけたのは、詳しい種名はわかりませんが、シャクガの一種の幼虫です。
二つ折りの姿勢で、頭を向こう側に向けて止まっています。冬芽の尖りを模していると思われます。
腹端の一番がっしりした腹脚で、芽の表面に張り巡らした絹糸をしっかり摑んでいました。
色合いが冬芽とちょっと違っています。そのため、離れて見ても、幼虫はよく目立っていました。
ただし、この冬芽も、春が進んでふくらんでくると色合いが若干変わってくるはず。
その頃には区別がつかない見事な擬態を見せているのではないでしょうか。
そのままにして時々様子を見ることにします。
これは別種のシャクガの幼虫。小諸でもよく見かけたシャクトリムシとよく似ています。

ちょっと分かりにくいですが、下向きにとまっています。