Kiyoaki Takashima/ 高嶋清明のBLOG

投稿者: 高嶋 清明

  • 紫外線写真

    時々、思い出したように引っ張り出して妙にはまってしまうビョーキのようなものがいくつかあります。紫外線写真もその1つ。

    先日、紫外線透過・可視光吸収タイプのフィルターを入手し、いつものE-520+マクロ50mmで試写してみました。そのうちの一枚を紹介します。セイヨウタンポポです。
    PA070425

    デジタルカメラは意外に紫外域への特性がいいようです。その中でも、うまい具合に手持ちのOLYMPUSは感度が良さそうに思います。他では、ここまで写らないかも知れません。

    まずは以前にもよくやったように、RGB各チャンネルに分割します。
    レッド
    PA070425_R

    グリーン
    PA070425_G

    ブルー
    PA070425_B

    前によくやった方法ですと、このブルーのみをグレースケールでモノクロ化して、明るさを調整します。こんな具合になります。
    tanpopo_b_bw
    紫外線を吸収する中央部分が濃くなりました。
    通常は見えないブルズアイとよばれる模様です。

    フィルターはU-330というタイプのもの。330nm付近にピークを持ち、700nm付近をピークに近赤外線も通してしまうフィルターです。この選択は失敗だったかも知れません。この赤外線の影響がどのくらい画像に出ているのか分からず、得られた画像をどう解釈したらよいのか分からなくなってしまいました。U-340、U-360など、他の紫外線フィルターの方が、赤外線の影響がずっと少なく、よかったかも知れません。でも、U-330は250nmあたりから特性があるので、魅力的に思われました。

    といっても・・・
    カメラの画像素子の紫外線への特性自体、それほど良くないはずです。CCDの分光特性(バンドパスフィルター込みの)も分からないままなので、何をやっているのかという世界かも知れません。

    さて、ここから更に冒険します。ブルーとグリーンをカラー合成、Gチャンネルでは明るくBチャンネルでは暗く写っていた部分が黄色く染まっているようです。
    PA070425_BG
    とっても危険な遊びかも知れません。そう思って見て下さい。見た瞬間にキレイ!と思えてすぐに公開したかったのですが、一週間近く迷ってしまいました。この合成法は、ブルズアイやネクターガイドが色別され見やすくなるのではと期待しているのですが、誤った情報を流してしまうことになるのではないかと、正直怖いです。

    1人で考えていても意味がないと思いましたので、思い切って公開してみます。
    上記のような撮影法で得られた画像を果たしてどう処理すればベストなのでしょう?ご意見をお聞かせ下さい。

    追加します。
    上記、BとGチャンネルのカラー合成で得られたブタナの花です。
    小さなヒラタアブが来ていました。PA070432_BG

  • ミノウスバ

    庭のマサキにふわりふわりと飛ぶミノウスバ。ようやく見れました!
    去年の春に幼虫に垣根の良いところを食べられ、でも秋に期待して放っておいたものの、結局マダガスカル取材のため見ることができなかったのです。
    今年は逃すまいと数日注意していたのですが、よかった〜。

    PA120816
    正面から見た雄。ふわふわしていて可愛いガです。

    PA120806
    飛び立とうとする雌。ふさふさしたお腹の毛は卵の上をコートするのに使われます。
    抜けやすくなっているのかも知れません。

    PA120851
    マサキの葉上で交尾。

    R0022704
    一匹でこれだけ産んだとは驚きです。

    産卵の様子については、かがくナビ 今週の自然だよりをご覧下さい。

  • シャクガの幼虫

    サクラの紅葉進むこの時期限定の擬態、でしょうか。

    PA060325
    サクラの葉柄そっくりなシャクガの幼虫です。片側が紅く色づいているところなど、すごく芸の細かい擬態です。まわりの枝を見て下さい。質感もそっくり・・・恐ろしいほど似ています。
    でも、こんな風に葉柄だけが残っているなんておかしいわけで、すぐに目に飛び込んできました。

    PA060345
    指でツンツンさわってみると、ピンと立ち上がりました。シャクトリムシの得意な行動です。これでますます植物にとけ込みました。

  • トホシテントウの幼虫

    カラスウリを食べるトホシテントウの幼虫を見つけました。

    PA060355
    撮影後、画像を確認したところ、妙な事に気づきました。草食性のテントウムシ特有の網目模様の食痕はいいとして、周囲に一本はっきりとしたスジが見えます。あれ?これはもしや・・・

    PA060384
    引いて見ると、これは面白い!ぐるりと円を描くようにはっきりとした一本線があります。これは葉を食べる前に最初につける傷でしょう。イケマの葉を食べるアサギマダラの若い幼虫がそのような行動をとります。食べる部位に続く葉脈を断ち切って、イケマの毒性分を弱めるんでしたか・・・。
    トホシテントウの幼虫も同じような目的でしょうか?まず食べる分を決めて、そのまわりを傷つけ、それから内部を食べるようです。今日は時間がないけど、いつか必ず確認しようと思います。

    PA060364

  • ツリフネソウとトラマルハナバチ

    10/9かがくナビ公開のツリフネソウについて、補足画像です。

    PA060216
    トラマルハナバチがやってきました。

    PA060217
    花への侵入開始。

    PA060220
    入り口はやや窮屈です。中に入るためには、後ろ脚を使って広げるようにします。内部に潜りこむと、イヤでも天井から下がっている雄しべと雌しべが押しつけられることになります。

    PA060225
    花から出てきたところ。背中側は頭から胸、翅、腹部までしっかり花粉がつきます。胸のあたりは何度も擦れて毛が薄くなっているようです。

    ツリフネソウにとってトラマルハナバチは大事なお客さま。トラマルハナバチの方も、サイズがぴったりなこの花に喜んで吸蜜に来ているようです。