Kiyoaki Takashima/ 高嶋清明のBLOG

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  • 紫外線撮影への挑戦(8)

    ナノハナ紫外線動画のカラー調整は、結局、画像と同じ、Labカラーaチャンネル外しに落ち着きました。
    動画ファイルをPhotoshopで処理するのはもちろんそのままでは不可能ですが、1枚1枚の画像に書き出すことで可能になります。大量の画像を処理することになりますが、自動処理をうまく使えばOKです。

    試しに、同様の処理を前日のフキの動画にも適用してみました。
    このカラーでは、濃い黄色の部分が紫外線をよく吸収していることになります。

    植物がこうした花の紫外吸収パターンでハチなどの昆虫にアピールしている様子を見たい!その目的では、この映像はまずまず分かりやすく、それなりに美しく、イイ感じと思います。
    ところで・・・
    注意!虫の目にこのように見えているわけではありません。
    最近、このお断りを忘れていて、どうもいけません。重要な宣言ですから、毎回入れるべきでしょう。

  • 紫外線撮影への挑戦(6)

    これは昨日撮影したナノハナの紫外線写真(オリジナル)です。

    毎度のことですが、赤かぶりがすごくて、せっかく写った紫外線パターンが見えにくくなっています。

    ちなみに通常光での写真は次のとおり。花びらは全体に均一で、上のような模様はまるで見えません。

     

    さて、最初の写真の肉眼で見えない模様ですが、ちょっと薄くてよく見えません。
    グレースケール変換してモノクロ化してもこの通りです。

    この画像のコントラスト調整をしたところで、期待したような画像にはなりません。

     

    ところが、今日、海野さんとの電話の中で、Photoshopに他にモノクロ化のための「白黒」というメニューがあると教えてもらいました。この「白黒…」私は全く気がついていませんでした。これはかなり有効かも知れません。。。
    ありがとうございます!
    イメージ>色調補正>白黒… で画像はモノクロに表示されて、次のようなダイアログが表示されます。

    この中でレッド系のスライダーを左にずらしていったところ、花の中央部の模様がどんどん濃くなっていきます。
    さらにマゼンタ系を右にずらしていったら、全体が明るくなり、次のような画像が得られました。
    これはすごいです!

    これぞ紫外線写真という感じです。最初からこれくらいはっきりビジュアル化できればいいのですが・・・

     

    先日むりやり編み出した、Labカラーでのaチャンネル除去処理の結果はこうです。

    この感じも割と気に入っていますが、なぜこんな風に色がつくのか説明できません。
    光と色についての知識が足りないなあ・・・とにかく自分は物理を勉強しなおさなければなりません。
    それだけはハッキリしてますw

  • 紫外線撮影への挑戦(5)

    RGBという色空間はとても身近ですが、Labという色空間はほとんど意識したことがありません。
    Lは色の明度、aはマゼンタ〜グリーン軸、bはイエロー〜ブルー軸という3つの要素から構成されるカラーモデルです。今まで利用したこともないのに何故?ではありますが、赤紫かぶりの画像に、なにか意味のある加工を加えたいと試していて、たまたま気まぐれにLabカラーに切り換えました。するとびっくり!

    赤に関する要素を消してみたらどうかとaチャンネルを黒く(白でも同じ)塗りつぶしてみたら、なんと、
    思いがけず黄色が出て、フクジュソウがこんなことになってしまいました。いや、見た目の色に近いわけですが、驚きました。

    離れた所から撮った画像に当てはめてみると、

    補色の関係になっているわけですから、素晴らしくよく目立ちます。
    面白いとは思いましたが、なんとも危険な感じがします。
    ここだけの遊びにしておいたほうが、いいのかも知れません。

  • 紫外線撮影への挑戦(4)

    紫外透過可視吸収、赤外カットのフィルターの組み合わせは様々作れますが、その効果は肉眼で確認できません。
    ですから、写った画像を見るだけでは、どう判断して良いか分からない結果に、手持ちのフィルターが間違えているんじゃないかと迷いが出てきたりします。

    しかし、この類の特殊フィルターについては、分光特性のデータが詳しく公開されています。これを利用すれば、複数枚フィルターを重ねたとき、どの波長はトータルで何%透過しているか、計算すればいいはず。さらに一般的な画像素子の分光特性のデータを得て(もちろんE-PL1の特性が違っている可能性もありますが)、果たして自分の紫外線カメラは、紫外線がどれだけ透過しているか、慣れない計算はExcelを利用して、ちょっとしたシミュレーション的なことをやってみました。
    その結果は370〜400nm付近がピークでわずか5%ほどの透過。そして440nmからほぼ0%となり、660〜710nmに再び0.1%以下の透過があるという結果に至りました。候補となる他のフィルターでも試算してみましたが、どうも今の組み合わせが最も無難なようで、ちょっぴり安心できました。しかし!途中で、実はもう一つレンズの特性という重要な要素が抜けていることに気づきました!この試算結果、どれくらい頼っていいものか・・・

    さて、撮影した画像は相変わらず、赤紫にかぶった画像です。

    このままでは、紫外線の反射吸収がやっぱり分かりにくいです。
    何か1つパターンを決めて処理すべきと、だんだん、そんな考えに傾いてきました。
    私には、小諸での海野さんの助手時代に経験した、忘れられない紫外線映像のカラーがあります。
    それを思い出しながら、今回は、Photoshopで「色相」をずらしてみました。

    これもフキノトウ

    キクザキイチゲ

    オオイヌノフグリ。半開きです。

    先日のヤナギの画像はこうなりました。

    フクジュソウはかなり変です。

    自分でも思いますが、大丈夫?といわれそうなレベルになってきました。
    まだまだ迷走が続きそうです。

  • 紫外線撮影への挑戦(3)

    ふりだしに戻りました。。。
    先日OM-Dに紫外線写真用のフィルターを合わせてフクジュソウを撮影したところ、思わぬ結果のよさに大きく心が動いたのが最初。勢いE-PL1の改造に取り組んで、再び紫外線写真の沼にはまり込んでしまったのですが、数日の格闘の結果、気がついたら最初の時点に戻っていました。

    E-PL1での撮影です。前回までのフィルターに、更にもう一枚、手持ちの赤外カットフィルターを足してみました。出てきた結果を見て、これはもう笑うしかありませんでした。カメラのセンサーから外した青いフィルターは、今日レンズの前に追加したケンコー製赤外カットと非常によく似た特性だったようです。色合いも見た目そっくりですし。改造直後にしまったと思ったのは、デフォルトのE-PL1に紫外線写真用フィルターをつけて試し撮りを一切やっていなかったことでした。

    そして、この数日の試みでうすうす感じ始めていたこと。何だか赤外写真を見ているようではないか?フィルターから赤外がかなりもれているんじゃないか?実を言うと、昨日海野さんから電話があり、まさにそのような指摘をもらっておりました。
    各フィルターの分光特性を見ると、明らかなのは700nm付近に1割ほどの透過率で赤外線を通していて、それ以上の赤外も数%通していることが予想できます。わずかな光量で問題無いと思いたかったけど、そうではなかった・・・
    今日のこの結果で、すべてが完全に繋がった感じです。

    私がこれまでブログで公開した写真のうち、紫外線写真と呼べるものは、残念な事ですが、どうやら先日のフクジュソウの写真くらいしかなかったようです。でも、これからはいくらか自信を持って紫外線写真と呼べるものを撮影していけそう・・・いやまてまて、本当にそうなのかな?他の二種類の紫外線フィルターと入れ替えたらどうなるのかな?
    おお、、なんてこった。

    と、まあこんな具合に、これから先も紫外線写真の結果に一喜一憂することが予測されますが、少しずつ進めていきたいと思います。

    本日の収穫はもう一つ、ストロボを光源にしても結果が良さそうだったこと。紫外線ストロボはたぶん発光管が紫外線透過率の高いものを使っているのでしょうけど、普通のストロボでもそれなりに紫外線を放出しているようです。今日の紫外線写真は全てストロボを使いました。

    川原のヤナギの花。

    実際に虫の眼にどう見えているのか分かりませんが、何とも魅力的な輝きを感じます。

    ヤナギの通常光での画像

    鉢植えのウメ

    フキノトウ

    庭のまだ花が開いていないものです。花が咲いたときどうなるのか、楽しみです。