Kiyoaki Takashima/ 高嶋清明のBLOG

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  • くらしのこよみ

    くらしのこよみというiPhoneアプリがあります。最近知ったばかりですが、とってもいいソフトなので、オススメします。
    これは「二十四節気」と「七十二候」に沿って季節を紹介しているカレンダーソフト。
    実はこれまで何度も、自分のブログにも二十四節気を毎回取り上げて、その素晴らしさを紹介するような記事を書いてみようと思ったことがありました。でも、思うだけで実行できていません。

    くらしのこよみは、先日開発元から画像の貸出依頼が来て、はじめて存在を知りました。こんな楽しいものがあるのなら、もうブログに書く必要もありません。とっても素晴らしいソフトです。無料ソフトですので、iPhone、iPod Touchを持っている方、ぜひ試してみて下さい。iPadアプリもあります。

    ちなみに現在は、二十四節気の第八「小満」 第二十二候「蚕起食桑」。内容を見ると、まさに今の季節を見事に表していて、本当に驚きます。

  • クロベンケイガニ

    何か運命的な縁を感じて(たぶん私の片思い)宮城県某所に震災後一月半経った頃から通っています。
    4月27日の記事
    といっても、今回はまだ3回目。

    朝8時からボランティア活動に参加するその前に、早朝、かつてヒヌマイトトンボを撮影した川岸に向かいました。
    川岸のアシは私の膝くらいの高さにまで成長しています。
    7年前の画像と比べてみると、やはり範囲が狭く感じますが、ひどい津波をまともにくらったのですから、当然のことでしょう。そもそも、川岸が削られたのか川幅が広がっているようにも見えます。

     

    川岸を歩き始めて間もなく、5cmほどの生きものがアシの隙間を
    カサカサ音を立てて歩くのが見えました。

    ひどく驚きましたが、そっと近づいて正体を確認すると、それは一匹のカニでした。
    クロベンケイガニ。汽水域に暮らす生きものです。
    前にも気になった、土手にあいたたくさんの穴の主はこのカニとわかりました。生きて歩いている姿を見ると、何とも嬉しくなります。

    当然川岸の土砂も巻き込みながら津波は通り過ぎていったはずです。何とたくましい連中でしょう。

     

    付近の植物たち。左からノウルシ、スイバ、タンポポ

    植物の様子を見ていると、やはり土壌の栄養の少なさが感じられます。
    4月末に最初に訪れたときは、結構早く緑に覆われる日が来るんじゃないかと思いましたが、今回は、 そう簡単な事ではなさそうだと感じました。雨があれば違ってくるでしょうか。

    イタドリには小さなケアリがたくさんついていました。
    アブラムシがいるのかと思いましたが、それらしきものは見えません。
    たぶん、分岐部にある蜜腺に集まっているのでしょう。

    この日、この場所で見た昆虫はこれだけ。
    朝6蒔頃、うすく雲があったため、たとえ昆虫たちがいたとしても、活動前でした。日中、ボランティアで泥出し作業をしている時間は、穏やかに日が差して気持ちのいい一日でした。

     

    ここは津波の被害が特に大きかった場所で、日中はまだ自由に入ることのできません。7月になっても状況は変わらないかなあ。。。

     

     

    もう1枚。

    海岸から1.2km地点では、フジの花が咲きはじめていました。スギの下の方に長いつるが何本も見えていますが、これもフジでしょうか。

    土がむき出しになっている部分は、津波の襲撃をもろに受けています。だいぶ海岸から離れていますが、まだ高さ4〜5mありそうです。

     

  • 第32回SSP展

    本日より第32回SSP展スタートです。
    SSP・・・日本自然科学写真協会 会員の私も、もちろん出展しています。

    初回東京展は富士フイルムフォトサロンで本日5月13日から19日まで
    一年に渡り日本全国各地で展示されます。どうぞよろしく!

  • 災害ボランティア

    一日宮城県某所のボランティア活動に参加しました。
    鶴岡より車で片道3時間かかりません。ここなら月に1〜2回くらい私も動けると思います。
    この前後に宮城周辺の虫のポイントを探してみるのも いいでしょう。

    ところで、災害ボランティアについて、長く活動に参加している人たちから様々な話を聞くことができました。

    ・連休中は参加者が多かったけど、急に少なくなっていてどこも心配だということ
    ・場所によって効率よく進んでいる場所とそうでない場所の差が大きいということ
    ・amazonの「ほしい物リスト」というシステム

    私はamazonはよく利用していますが、「東日本復興を応援」のコーナーを開いたことはありませんでした。
    こんな素晴らしいシステムがあったとは。。。感激しました。
    被災地を直接応援したいのに遠隔地でできない方など、このシステムを活用されてはいかがでしょう。

  • 私の見てきたもの

    テレビや新聞・雑誌である程度被災地の様子は想像できました。確かに、眼前にひろがっていたのは、伝えられている通りの大変な状況でした。しかし、被災範囲の広大さ、そして波が達した高さのようなスケール感は、やはり実際に同じ空間に立ってみて初めて実感できるものでした。車を降りてしばらく歩いた場所では、海岸線から1.5km以上ほとんど何も残っていないような、あまりに惨い光景でした。

    Google Earthで「表示>過去のイメージ」を使うと、場所によっては被災前の美しい光景を見ることができます。そして、震災後の被災地の様子は、かなり細かくその後の変化を見ることもできます。この記録は本当に貴重なものです。記録に残して公開しようと決意し実践したスタッフの「心」を思うと、何だか泣けてきます。

    道路脇に時計が1つ。誰かが目立つところに置いてくれたように見えました。私は少しの間、時計を見つめたまま動けなくなってしまいました。

    自分の仕事部屋でカチカチいっている古い時計と同じ型に思えてなりません。地震の時に止まってしまった、あの時計です。日付もおそらく時刻も、波に流されているうちにずれてしまったのでしょう。この時計を使っている私にはよくわかりますが、日付と曜日の表示は、簡単に動いてしまいますし、時刻だってそうです。たぶん地震があるまでの50年間、正確に時を刻みながら、家族の成長を見守ってきたことでしょう。横たわる姿は本当に悲しそうでした。

    ヒヌマイトトンボの生息地を訪ねて来たつもりでしたが、この時計を見ることも、はじめから予定に組み込まれていたかのような、何とも不思議な気持ちになりました。

    これはある橋の上で見た光景です。金属の手すりがものすごい力ではぎ取られて行った様子が見えます。水の力とは、これほどまで凶暴になれるものなのかと啞然としてしまいました。

     

    1cm以上太さがあるボルトに、ナットが残っていました。欄干の基部を、津波は強引に引きちぎっていったのです。

    こんな様子を見るとまた、川岸に根づいたアシが津波に流されずに新しい芽を吹いている事が、いかに驚異的かがわかります。

    家は確かにそこにあったのです。
    土台だけがかろうじて残っているものの、上は全て引きはがされて、波にもまれて砕かれ運ばれて行った様子が目に浮かびます。

    家を囲っていたスギの木も、乱暴に折り取られてしまいました。写真の1本はまだ形が残っていますが、幹の一部が繊維状にしか残っていないような木もたくさんあります。
    狭い範囲を少しだけ見てまわりましたが、あまりに酷い状況でした。

    また、最初はわからなかったのですが、次第に、かなり片付けが進んでいる様子も見えてきました。道路・水路は整理されて、電線工事も徐々に進んでいます。それでも、一見すると気がつかないくらいなのです。

    この震災の復興は大変な作業量です。こうして見てまわってよくわかりました。そして自分も災害ボランティアに参加して、決して邪魔にならないだろうと自信を持ちました。

    所々に見える、植物たちの息吹は、私の目にも何と美しいことかと思いました。被災された方々を勇気づけて欲しいと思います。

    サクラは折られても咲いているものがありましたし、庭先のラッパスイセンは、ニュースでも報じられているように、いたるところで咲いていました。ケヤキやエノキは若葉が芽吹いてきていました。フジもクズも津波にも抜き取れず残っていました。これから大地を少しずつ緑が覆っていくと思います。片付けの邪魔にならないか、心配でさえあります。

    それと賑やかな鳥の声もありました。スズメにセキレイ、キジ、トビなどなど。奥の方の高台の林では、私は普段聞くことのない、コジュケイとガビチョウの声が響いておりました。

    朝7時には被災地を離れ、山形に戻る道に入りました。自宅に戻ってすぐに、連休中は受け入れ体勢を一旦ストップするようなニュースを見て一瞬へこみましたが、連休明けにはどこかの片付け活動に参加したいと思っています。