Kiyoaki Takashima/ 高嶋清明のBLOG

カテゴリー: 昆虫

  • カンタン鳴く 2K240fps / FS700 + SHOGUN INFERNO

    またちょっとブログの更新が途切れてしまいました・・・久しぶりに動画をYouTubeにアップしました。

    夜のカンタンは灯りに敏感です。何度か撮影を試みましたが失敗の連続でした。秋が深まり昼に鳴くようになって、ようやく満足できる撮影ができました。音声同録のスロー映像です。
    カンタンの声は、ルルル・・・と単調な音の連続に聞こえますが、意外に複雑です。スロー映像を見ると、翅を細かく3回こすって一息入れて次の3回・・・を繰り返しているのがわかります。もちろん、音の方も、3音ずつ区切った一定のリズムの繰り返しです。音データだけでも音声波形で確認できます。通常速度では我々人間には知覚できない世界です。

    スロー映像から、もう一つ興味深い事に気づきました。微妙な変化ですが、翅が葉っぱから離れた瞬間、鳴き声のボリュームが下がるのを感じます。カンタンは鳴く時は必ず、翅を葉っぱなどに接しているのですが、そうすることで葉に振動を伝えて音を増幅しているのではないかと、以前から考えていました。この映像を見て聞いて、やっぱりそうじゃないかと思いを深めました。

  • カヤキリ鳴く 2K240fps / FS700 + SHOGUN INFERNO

    鳴き声もド級な大型のキリギリス、カヤキリの鳴き声の音声波形です。

    ▲一秒間に100回程度と意外に細かく翅をこすり合わせているのが確認できます。

    ハイスピード動画を撮影しました。翅の動きが細かい事は確認できたものの、やはり単調であまり面白いものではありませんでした。

    ▲FS700の2KRAW240fpsをSHOGUN INFERNOで収録。音声はSHOGUN INFERNOのアナログ入力による同録です。

    ところが、また音声波形に戻って、さらに拡大表示してみると思いがけないものが見えてきました。小さな音が手前に必ず1つ入っています。
    これはもしやキリギリスやウマオイの「チョン」音と同質のものでしょうか?

    これはもはや240fps程度のスロー映像では確認できないレベル・・・
    音声波形を精査する方が手間がかからないし、映像より深い情報が得られる場合もありますね。

  • クツワムシ鳴く 2K240fps / FS700 + SHOGUN INFERNO

    石川県加賀市での撮影。スローで見ると、翅のこすり合わせ3回で1セットを繰り返しているのがわかります。意外に複雑な動きです。単調だけど不思議な音色の秘密が見えてきそうです。

    FS700の2KRAW240fpsをSHOGUN INFERNOで収録。音声はSHOGUN INFERNOのアナログ入力による同録です。
    マイクはSennheiser MKH8060

  • オナガササキリの鳴き声

    オナガササキリの鳴き声の音声波形です。


    ザッの音1つが0.2秒ほどで、その中には10の細かい音がある事がわかります。0.02秒に一音では、もはや人の耳(脳)では分解できないレベルです。映像についてですと15fps(約0.06秒に一コマ)と24fps(約0.04秒に一コマ)では滑らかさに明らかな違いがわかりますが、人の時間的分解能は0.05秒あたりでしょうか。音もその辺りを境に、ビー的な音かビビビ的な音か聞こえ感が変わってくるとか?

    こういう話題って高校の物理で扱ったりしました? 若い頃、マジメに勉強していなかった自分。。。今更ですが勉強します。

    映像は一秒間に1000コマも撮れれば、相当な高速度映像となりますが、音声の場合は一秒間を4万4100(44.1kHz)に分解して記録するのも普通。今では9万6000(96kHz)が標準的なくらいです。普通に録音しても、音のスローはとても簡単に作ることができます。映像よりずっと簡単でお手軽。でも、あまりそんな技術を使う機会はあまりないと思います。せいぜい虫の音くらいでしょうか?

    ▲9月4日撮影。スローで見ると、0.2秒に約10の音が、確かに翅をこすり合わせて作られている事がわかります。

    高速度動画はふつう音を記録しません。SONYのカメラには120fpsで音も記録する機種がいくつかありますが(アクションカムでも!)、240fpsでは自分の知る限りないと思います。オナガササキリのスロー映像は以前にもYouTubeにアップしましたが、音は別のものを後付けしていて、決して自信を持って世に出せるようなものではありませんでした。今年からは、FS700の2KRAW240fpsをSHOGUN INFERNOで収録する際、音声をアナログ入力。念願のスローでの音声同録が可能になりました。ただし240fpsのみの話。また、そのようにしてShogun INFERNOに記録したスロー動画は、映像と音のスピードが違っていたり、タイミングがずれていたりで、編集での修正が必用です。

  • ササキリ鳴く 2K240fps / FS700 + SHOGUN INFERNO

    自分の耳には高い音で聞こえにくいのか、音量が小さいのか、周りのセミの声も邪魔して、鳴き声を探すのが難しい鳴く虫です。石川県加賀市にて撮影。

    FS700の2KRAW240fpsをSHOGUN INFERNOで収録。音声はSHOGUN INFERNOのアナログ入力による同録です。
    マイクはSennheiser MKH8060

    最近、気がついたのですが、音のする方に頭頂部を向けると何故か正面向くより高い虫の声が聞こえます。まさか・・・とは思います。耳の角度の関係でしょうけど。こういうのも、今、この年の自分だけが分かることですので、メモっておきましょう。

    ある人には聞こえるのに自分には聞こえない音がある。
    自分には聞こえるのにある人には聞こえない音がある。

    ちょっぴり悲しいこともあるけれど、自分は最近ようやくおもしろいと思えるようになってきました。