Kiyoaki Takashima/ 高嶋清明のBLOG

カテゴリー: 昆虫

  • ツマグロオオヨコバイ 基質振動によるコミュニケーション

    鶴岡も、ようやく春本番な感じになってきました。この日は終始曇り空でしたが、最高気温は18℃。我が家の庭では、越冬明けのツマグロオオヨコバイが常緑のヤツデに集まっていました。これはもう確実に春が来たことを物語っています。

    しばらく観察していると、葉にとまって体を震わせ、仲間と交信していることが見えてきます。頻繁に飛んで葉から葉へ渡っていきますが、とまるとまず震えて他の仲間の反応を待ちます。仲間からの返信(振動)が返ってくると、脚を伝って感じ取り、時にはそのまま会話を続けます。この映像はその様子をとらえたものです。反応がないと、ここは脈なしと別の場所に移っていきます。こうしてまず仲間同士が集まるポイントができあがっていきます。やがて雄と雌の出会いも生まれます。

    セミは空気振動による鳴き声、つまり我々の耳にも聞こえる音で仲間とコミュニケーションを取りますが、ツマグロオオヨコバイは植物に伝わる基質振動を使います。細かく震えるのが見えますが、我々の耳には何も聞こえてきません。ヤツデの葉にコンクリートマイクに手を加えた特殊マイクの針を刺し、耳に聞こえる音としてとらえました。

  • 春が来た

    3月に入ってからしつこく降り続いた雪も消え、気温も15℃まであがり、なんだかソワソワしてくる。2月に菜の花が咲いていた辺りに行ってみたが、風が猛烈に強く、これは何もいないかなと思ったが、そんな事はなかった。

    フロントにEntanya RP-L185 を装着した自作虫の眼レンズで撮影。

    キタテハ
    少しだけどナナホシテントウが歩き回っていた。鶴岡では、早春、あまりナナホシテントウが見られない。
    ギシギシにはコガタルリハムシが集まっている
    ちょっと気味悪いくらいいっぱいだが春が来たと感じる

  • マルカメムシの越冬

    クビキリギスを探している時に多く見つかったのがこれ。単独だったり、数匹固まったり、ツタの葉裏でじっと春を待っていた。
    次々見つかるマルカメムシを撮影しながら思った。庄内でマルカメムシを見たことがあっただろうか?小諸時代は普通に見ていたので、もし鶴岡近辺で見ていても特に撮りたいと思わなかったのかも知れないが・・・

  • クビキリギス

    SSP会員の高橋直暉さん(福島市)を訪ね、越冬昆虫探しを手伝ってもらった。一番の目当てはクビキリギス。彼のご自宅周辺にはごく普通に見られると聞き、いつかお邪魔したいと思っていた。クビキリギスは長野にも山形にも分布していない、自分にとっては縁の少ない虫だ。調べるとススキなど植物の根際に下向きにとまって越冬している情報に当たるが、実は以前一度だけ、群馬で厚く積もった落ち葉に潜り込んで越冬している個体に出会ったことがある。

    ツタの落ち葉の下に止まっていたのだが、そうと気づかずに持ち上げたら下に落ちてしまった。ちょっと残念だったが、落ち葉の下で越冬しているのを見つけられたのは大きな収穫だった。実体験なく色々書いたり話したりできないからだ。
    合計2時間ちょっと探してクビキリギスは一匹だけだったが、その他、いくつか越冬昆虫が見つかった。

    高橋さんに撮影中の様子を撮ってもらった

    落ち葉をめくっていると、小さなコオロギがたくさん跳ね出てきてコンクリート壁にとまった。幼虫越冬ということはキンヒバリじゃないだろうか?
    でも何か印象が違う。キンだったらもっと透明感があるのではないかな。初夏にまた訪ねて、何が鳴いているか確かめるのが楽しみだ。

    東北中央道のおかげで鶴岡から福島が2時間半ととても近くなった。以前は米沢に行くのにも3時間と考えていた。同じ東北でも福島市は太平洋側で見られる虫がだいぶ違うので嬉しい。

  • 2月の菜の花

    全国的に気温が上がった。鶴岡も最高気温は18.4度。今日ばかりでなく、この冬は気温が高い、まれにみる暖冬だ。
    どこも雪がなく、赤川の土手でも菜の花の黄色が目立ってきた。

    ↓ハイスピードカメラChronos2.1でも撮影した。撮影2142fps再生24fpsで約90倍のウルトラスローモーション動画。

    ↓こちらは虫の眼レンズを装着したGH6でHFR240fps撮影

     

      【 Chronos 2.1 】スローモーションの世界