Kiyoaki Takashima/ 高嶋清明のBLOG

カテゴリー: 昆虫

  • エゴヒゲナガゾウムシ

    先日山形市で撮影したエゴヒゲナガゾウムシについて、鶴岡のMさんと電話で話していたときのこと。
    「鶴岡にもいるはずでねが、エゴはたくさんあるし・・・」

    そうなんです。いないのがおかしいくらいです。
    以前に高崎で撮影した経験から、8月初旬に集中して探していたのですが、時期を間違っていただけだったりして・・・
    永幡さんより情報をもらったときから、そんな気がしていたのですが、まさにその通りでした!

    前に探した場所を再び訪れてみると、今日は拍子抜けするくらいにあっさり見つかりました。
    エゴの実にとまった、5mmほどの小さい体ながらすぐにそれと分かる異様な体形の虫。
    ウシヅラヒゲナガゾウムシの異名どおりに、奇妙な顔つきの雄でした。

     

    シュモクバエのように(それほどでもないかな?)左右に大きく離れた複眼。
    どういうわけなのか、正面から顔を見ると、その複眼はほとんど見えません。

    正面の視覚はかなりカットされているはずです。

    この目の付きどころには何かメリットがあるものでしょうか?
    後方の視界を重視したとして、その理由が想像できません。

     

  • アゲハの羽化

    8月27日に蛹になったアゲハは、8日と15時間後、無事に成虫に羽化しました。
    前の日の夕方より翅の模様がうっすらと見え始め、翌朝4時頃から撮影の準備を開始。
    羽化が始まったのは7時12分、10分後にはすっかり翅がのびました。

    この写真は、動画を撮影したGH2で、設定を切り換えて撮影したもの。照明はLEDライトです。

    動画も写真も最高画質でとらえようとすると、切り換えには結構時間がかかります。写真は羽化前の蛹とこの1枚しか撮影できませんでした。

    ダイヤルのカスタムあたりを利用すればもっとうまくできるのでしょうか?


    室内の風のない状態で撮影しましたので、細かい動きも見えます。
    羽化のスタート時も、蛹化の時と同じような蠕動運動が見られる事がよくわかりました。
    それと、脱出前に濁ったおしっこを一気に排出する、その勢いにも驚きました。

    翅がのびるシーンはさすがにそのままでは長すぎるので、短くカットしています。

  • 夜の鳴く虫〜津波被災地にて〜

    8月は結局一度もボランティア活動に参加しないまま、31日をむかえてしまいました。
    空いた時間とボランティアのニーズがかみ合わず、といっても、このままでは気になるいつものポイントの環境の変化も見ないまま。。。これではいけない!

    特に気になるのが秋の鳴く虫です。

    被災前にどんな虫たちが鳴いていたのかも知りません。
    でも、少なくとも、津波をかぶった頃は卵だった直翅類が成虫にまで育った様子を確認したいと思いました。

    トンボは見落としてしまえばそれまでですが、鳴く虫なら耳をすませてその場に立っていれば、生き残っている種類がわかります。調査しやすい対象と思います。

    日没の時間に合わせて現地に向かいました。
    そこで山形の永幡さんと合流。

    いまだ幹線道路沿いの外灯も復帰しない闇の中、降るような星空のもとで虫さがしを開始しました。

    1ヶ所目に聞いた鳴く虫の声
    カンタン、ハヤシノウマオイ、ヒメクサキリ、セスジツユムシ、エンマコオロギ、(ハラ?)オカメコオロギ、ツヅレサセコオロギ、ミツカドコオロギ、オナガササキリ、ウスイロササキリ、マダラスズ、シバスズ?

    写真はカンタンとセスジツユムシ
     

    録音した音は、ずいぶん久しぶりにPodcastにアップしました。>>>http://itunes.apple.com/podcast/id202445955
    (1)の方です。
    種類数は十分と思いますが、やっぱり絶対数は少なく感じました。
    夜空の満点の星のように、圧倒されるようなボリューム感を期待したのですが、私の予想はかなり甘かった。。。
    7月にカマキリやヒメギス、イナゴなどの幼虫を次々に見つけていたので、卵越冬のもの達は案外強いんだと早合点してしまったようです。
    あれだけの津波被害を見ていて、どうかしていました。

    ところで、スズムシもいてもいいはずだけど・・・すると永幡さんが、先程までいた場所でそれらしき声を聞いていたとのことで、そちらに向かうことにしました。
    その移動中にもスズムシの声は聞こえ始め、目的のポイントも美しい鳴き声につつまれていました。

    LEDライトで鳴き声のする方を照らしてハッとしました。
    そこには鉄筋コンクリートのがれきが山のように積まれていたのです。
    スズムシはよく伐採木を積んだような場所にまとまっていたりしますから、確かに好みそうな環境ですが、夜の闇に突然現れたがれきの山に衝撃を受けました。

    海岸がすぐ側のこの土地では建物は全て流され、多くの人命も奪われたとのこと。
    何も残っていない真っ平らな地面を前に、かつての様子を想像することもできません。

    もし自分が無念な気持ちを残して死んでしまったとしたら、私の魂は夜の虫の音を聞くことができるだろうか。
    スズムシのやさしい音色は、どう耳に響くだろう。
    悔しさがこみ上げてくるだろうか、美しい音色に心を委ねるだろうか。

    どうせなら、うるさいくらいに賑やかな声でやって欲しいのではないか。。。

    鳴いてはいるものの、数は少なめでやっぱりちょっと寂しく思いました。8月末は、もっとも数の多くなる時期と思います。エサ不足で成長が遅れている可能性もあるでしょうか?

    スズムシの声はリンク先の(2)の方です。>>>http://itunes.apple.com/podcast/id202445955

  • サトクダマキモドキ

    夜の闇に飛ぶサトクダマキモドキ。庭でつかまえた一匹にモデルさんになってもらいました。何度もくり返し飛んでくれるいいモデルさんでしたが、だいぶ疲れさせてしまったかな。。。

      

    閃光時間1/20000秒のストロボを使用。

  • アゲハの蛹化

    ミカンの枝で蛹になってくれました。その様子をムービー一眼、パナソニックGH2で撮影。レンズはシグマ マクロ150mmです。


    ただカメラを回しただけの映像でも、見れば見るほど面白い!気になるところは、ぜひ何度でもくり返して見て下さい。これまで少なくとも5回は撮影している私ですが、皮がどんどん後方に送られていく動き、気管の脱皮、尾端の再接着のシーンなど、面白くって毎度見入ってしまいます。

    今回、あらためて気になったのは、幼虫の皮の下に時々現れる気泡です。3:25あたりがわかりやすいでしょうか。自然に気泡ができてしまうのか、自発的に空気を送りこんでいるのか・・・いや、そうか!ちょっと閃きました。

    気管の脱皮が終わり、皮の下の気門から呼気が出はじめた、ということではないでしょうか。考えてみれば、脱皮の最中は、呼吸も満足にできない苦しい時間なのかも知れませんね。

    抜け殻を落とすまでは、ほとんどノーカット。
    速度も通常のままです。

    蛹化や羽化の映像はよく時間を縮めた映像で紹介されがち。速度を変えたならそのように伝えてほしいものですが、忘れてしまうのか意図的なのか、全く注釈ないままテレビで放送されてしまうこともしばしば。とんでもない誤解がうまれるんじゃないかと、私はテレビを見ていて心配になります。