Kiyoaki Takashima/ 高嶋清明のBLOG

カテゴリー: 昆虫

  • FASTCAM SA2のデータより

    SA2では、AVIやQuicktimeといった動画をはじめ、JPEGやTIFFなどの画像でも記録できます。ですが、私は毎回RAW形式で記録しています。RAWだからといって、普通デジカメでできるような幅広い露出調整はできませんが、記録形式の選択に迷うことなくまず撮って、あとでFASTCAM専用ソフトPhtron Fastcam Viewer(PFV)で様々な形式に書き出すことができるのがありがたいところ。

    RAWから動画へ書き出す過程でJPEGに書きだしたものをリサイズして並べてみました。トノサマバッタのジャンプです。秒3000コマでの撮影のものを10コマごと抜き出しています(画像にカーソルをかさねると、ファイル名が表示されます)。実際にはもっと細かく撮れているというわけで、おそるべし秒3000コマ!

      

    しかし、1枚の写真としてどうかというと、トノサマバッタは全コマブレブレです。サムネイルからもブレ具合がわかると思います。1/3000秒で写真を撮っては、全くとまらないことがイヤというほど分かる結果ですね。

    そもそもオリジナルサイズが1080×1080ピクセル(約100万画素)ですから、単写真としては残念ながらNG。こんなふうに、連続写真で並べることでようやく価値が生まれます。

    ちょうどこんな画像を見ていたところでしたので、先日の海野さんの小諸日記、クルマバッタモドキのジャンプには、えらく驚きました。先生、さりげなく載せておられますが、私はこれまで見たことのないタイプの写真に本当にビックリ!!いったいどうやって撮られたのでしょう???

    ご本人に電話で伺って、なるほどと納得しました。スチルカメラもおそるべし!

  • オトシブミ二種のウルトラスロー映像

    ナミオトシブミとヒゲナガオトシブミの飛びたちの瞬間です。
    今年6月にPhotron社 FASTCAM SA2で撮影した映像より、YouTubeにアップしました。

    現在のハイスピードカメラは従来より感度性能も格段にアップしています。この映像は、96球の小型LEDライト2灯使用し室内で撮影。ハイスピードカメラ用の光源としては貧弱なものですが、なんと3000fpsで撮影できました。小さな昆虫なので、ライトをかなり近づけることができたこともよかったようです。

    いうまでもありませんが、ハイスピード用の光源にはフリッカーが発生するものは使えません。水泳競技など屋内スポーツのスロー映像が盛大にちらついているのも、照明のせいです。その点、LEDはフリッカーの心配は皆無です。

    ただし、電球型LEDライトはNGのようです。何故でしょう?840ルーメンのものを1つ試してみたのですが、明るさがちらついてダメでした。

  • Photron FASTCAMによるウルトラスロー映像

    今年6月にPhotronFASTCAM SA2で撮影した映像より、YouTubeに一部アップしました。

    今月初めに撮影した映像についても、ようやく編集作業が終了。
    今日は、サンプルDVD及びBlu-rayを作成し、Photron社、そしていつもお世話になっているHさんあてに送る準備が整いホッと一安心。

  • GH2のハッキング

    海外でGH2のファームウェアのハッキングに成功したニュースにちょっと前からグラグラ来ておりました。

    GH2は1920×1080ピクセルのフルHDで60i撮影できる初のデジタル一眼カメラで、私も早速飛びついたわけですが、やや抑え気味のスペックに少々残念に思っておりました。24Pですと24Mbpsとまあまあのスペックですが、60iは17Mbps・・・。EOS Kissだって40Mbpsオーバーだというのに・・・もっとも方式がAVCHDで違うわけですが、そんながっかり感からか、撮影した映像が何だか薄っぺらに見えてきます。そこに福音のようなハッキング成功のニュース。

    メーカーとしては有り難くない事に違いありません。でも、メーカーはファームウェアをアップして撮影画質を上げることなど考えてはくれないでしょう。そのスペックアップは、きっと新機種に盛り込むところと思います。

    GH2はそのままでも素晴らしいカメラですが、本当の実力をまだ引き出せていないとしたら・・・?私はちょっと冒険してみることにしました。

    大事な撮影が一段落ついたところでGO!
    BootcampによりMacbookでWindowsXPを立ちあげ、PToolをセッティング、自分だけのファームウェアを作成。
    GH2に読み込ませます。FSH(デフォルト17Mbps)を42Mbpsに、SH(デフォルト13Mbps)も35Mbpsへ一気にアップ!

    感度800で、LEDライトをつけての撮影。モデルは庭で見つけたルリタテハの幼虫です。
    ライトの効果でコントラストが上がり、まるでストロボで撮影した写真が動き出したかのような映像になっています。暗部のノイズはそれなりにありますが、なんというか、あまり汚い感じがしません。

    同じ16GBのSDカードでハッキング前には2時間近く録れていたのが、ハッキング後は40分程度になりました。データが重くなったのは確かです。正直なところ、劇的によくなったように見えませんが、悪くなったところもありません。Macに取り込みFinalcut ProⅩで簡単な編集などやってみましたが、今のところ、困ったことは起きていません。
    しばらく様子を見てみたいと思います。

    ハッキングについては、以下のサイトにお世話になりました。
    http://www.personal-view.com/talks/discussion/666/ptool-v3.62d-topic/p1
    http://www.zeroplusplus.com/updated-42-mbps-gh2-ptool-v3-62d-patch-visual-instructions/

  • アブラゼミの産卵

    毎年の事のように、お盆を過ぎるとアブラゼミをよく撮っていないことに気づき焦ります。
    特にまずいのが、鳴いているアブラゼミの映像にろくなものがないこと。

    GH2にマクロ150mmをつけ、近所の公園に出てみました。

    鳴いているもの優先にと思ったのですが、まず目に入ったのが産卵中の雌です。
    これはラッキー!数の多いアブラゼミでも、産卵シーンはそう見られるものではありません。


    産卵管は相当固そうです。そうでなければ、こう何度も何度も枯れ枝を突き刺すことはできないでしょう。また、腹端の動きは実に躍動的で、鳴くこともない大人しい雌のイメージとはまるで別物!!

    これは全く動画向きなシーンです。動画だとすぐに理解できますが、写真だけでは正しく伝わりにくいはず。。。
    実際に産卵シーンを見るまでは、私も子供の頃に図鑑で見た絵や写真から、ただとまって産卵管を刺してジッと大人しくしている姿しか想像できませんでした。

    次はアブラゼミの鳴くシーン。
    残念ながら音声は同録ではありません。

    GH2の内蔵マイクではアブラゼミの鳴き声は対応不可。レベルを最小まで絞っても、ヒドイひずみが出てしまいます。
    それで外部マイクで別録音ということになりますが、コンデンサーマイクではどうしてもひずみがちですので、ダイナミックマイクで録音したものを使います。
    1人での撮影では同録も難しく、全く別のタイミングで録音した音声を編集上で合わせました。
    結果は良好。不自然な感じはなく満足のいくものができました。

    ただし、これはアブラゼミだからできるワザで、ミンミンゼミやヒグラシなど、鳴く時にお腹を大きく動かすセミでは使えません。