Kiyoaki Takashima/ 高嶋清明のBLOG

カテゴリー: 昆虫

  • タマムシ

    前日から、田中博さんの写真展オープニングに合わせて、柏崎へ。

    24日は午後から田中さん、海野さんの講演会があり、午前中は、海野さんと新潟の中矢さんと3人でタマムシ探しに歩きまわりました。

    山形では大珍品なタマムシですが、ここでは割と普通に見られるとのこと。
    季節もいいはずで、博物館の佐藤さんにアドバイスをいただきながら、いかにもいそうなサクラ、エノキの大木を見てまわりました。

    最初は曇りがちでしたが、そのうち日差しが強くなって汗ばんできました。
    でも、人が暑さで参っちゃうくらいな天気の方が、タマムシ探しには好都合です。
    我々の期待も高まってきたところで、ようやく1匹目を確認。

    その後、何カ所かでサクラやエノキの梢を飛ぶタマムシを見ることができました。

      

     

     

     

     

  • 高速ストロボ撮影

    夏に機械いじりしている場合ではないと思いながら、室内にこもって、アルミ板を切ったり、ねじ穴を開けたり、ハンダ付けしたりの作業をしておりました。

    高速度ビデオ映像の撮影をしながら、ずっと気になっていたのは、しばらく足踏み状態が続いている高速ストロボによる瞬間撮影。
    これこそ自分にとっては急務なのですが、そのためには準備が必要でした。

    ようやく目標の形が整って、撮影できそうな体勢が整ったところです。
    センサーを働かせて自動シャッターを作動させるまでは、3年前でもできていましたが、1枚撮影して次の撮影に移るのがとても大変でした。

    改良点は、撮影セットのシステム化です。センサー、ストロボの支持具を私なりの経験から作ってみました。
    こんなことが、結構重要なことと思っています。

     さっそくテスト撮影をしてみました。

    だいぶトリミングしないと使えない画像が多いのですが、以前より確かに効率が良くなってきたと思います。

    上はシロテンハナムグリ、左はセマダラコガネ。

  • 津波被災地での出あい

    宮城県の津波被害が甚大だった地域への不定期訪問も、4月末よりこれで5回目。
    今日も早朝に1時間、(日中は災害ボランティア活動に参加)、夕方2時間少々、生きものたちの様子を見てきました。

    4月に最初に訪れた時は、水路沿いのアシの芽吹きに驚きながらも、正直、しばらくは緑の復活は期待できないと思いました。まして生きものたちの復活など、数年かかるのではとも。

    とんでもありませんでした。
    今回もヒヌマイトトンボを探す過程で、たくましい生きものたちの姿を見ることができました。

    まだまだ幼体ですがナガコガネグモがいくつか見られました。
    コガネグモがいてもよさそうですが、こちらは一匹も見ませんでした。

    前者は卵のうで越冬ですが、後者は幼体で越冬です。
    その差が出たのでしょうか。

    他所から移動してきたことも考えられます。

    クモはごく小さな幼体の頃、まるで凧のように糸を風に乗せ、長距離を飛ぶことができます。もしかしたら、津波の被害のなかった土地から移動してきたものかも知れません。

     

     

     

    カマキリは2週間でだいぶ大きくなっていました。

    アシ原の下にたまったヘドロのあたりには、おびただしい数の小さなハエがいますし、アシに着くアブラムシも相変わらずスゴイ!

    最近は、イナゴやササキリの幼虫も増えてきたようです。
    食べるものにはまったく困らないでしょう。

     

     

    先日幼虫を撮影したヒメギスは、すでに成虫が鳴き始めています。
    姿は見せませんでしたが、鳴き声で存在がわかるのでありがたいです。

    間もなく、ササキリのなかまも加わるでしょう。
    終齢幼虫と思われる、翅芽の大きく成長した幼虫が数多く見られました。

    すぐに葉裏にまわりこんで隠れてしまうので、うまく写真に残せませんでしたが
    1枚だけ。。。

    テントウムシは相変わらずのすごい数。クサカゲロウやヒラタアブの幼虫も同様です。

    捕食者が増えて、少しアブラムシの勢いが減ったようにも感じました。

     

    それにしても、緑が増えてきました。
    思いがけず元気な姿を見せてくれる小さな植物たちに、野生種・園芸種 関係なく、感激しました。

    ツユクサ、ミソハギ、ヒャクニチソウ

    グラジオラスも元気!

  • 津波被災地のアオイトトンボ

    ヒヌマイトトンボの生息地に行ってきました。

    永幡さんがすでに同じ宮城県でヒヌマイトトンボの生存を確認していて、私も4月より通っているこの地でぜひ確認したいと思っています。

    しかし、結果を言えば今回も出会いは無しでした。
    朝に1時間、午後から2時間探し続けましたが、残念な結果に終わりました。

    風は少なく、天気もよく、コンディションは上々です。一匹でも確認できればと思ったのですが、力及ばず・・・。

    永幡さんの発見もありましたので、私はこの場でも生き残っていたものがいたと強く信じています。何しろ広いアシ原ですから、当然見落としはありますから。

    そんななかで意外な生き残りを多数発見しておりました。それが表題のアオイトトンボです。

    例によって、たっぷりのアブラムシと格闘しながらアシ原をかき分けていくと、アオイトトンボが次々に飛び立つポイントがありました。

    最初はもちろん、アオイトトンボが生き残っていたことに感激しましたが、たびたびの登場に、なんだまたアオイトトンボかと失望の対象となってしまったのはおかしな事でした。

    鮮やかな緑の輝きは、津波のヘドロにまみれた土地に生まれたことを全く感じさせません。

    普通種でありますが、大変美しいトンボです。 華奢なトンボに見えるかも知れませんが、正真正銘、あの恐ろしい津波の襲来を耐えて生き残った、ものすごいタフな連中です。

    こんな風に書きますと、そうじゃないんじゃないか、津波の害のないところで羽化して飛んできたんじゃないのか、とおっしゃる方もいるでしょう。

    私も最初はそう思いました。
    あまりに数が多すぎたからです。

    アオイトトンボは池や水たまりに育つもの。
    無事な水たまりがあったとしたら、それは津波の被害のなかった、さらに1km以上海から離れたところに違いないと思いました。

    しかし、歩きまわっているうちに、すぐ近くで驚くべき水たまりに出くわします。

    まさか、まさか、こんなハス池がこの土地に復活しているとは・・・。

     



    そして、そのハスの茎に、アオイトトンボのものらしきヤゴの抜け殻を複数発見。
    ここから発生したものなのでしょう!
    ハスもアオイトトンボも津波に打ち勝ったのです!


    すぐ近くにオツネントンボも一匹見つけました。

    !!・・・抜け殻はオツネントンボなのかな?

  • カブトムシ

    カブトムシを探そうと思えば、さほど苦労することはありません。

    初めての土地では多少の苦労があるものですが、次第にカブトムシなんてどこにでもいるだろう的、余裕が出てきます。

    でも、庄内では最初から苦労はありませんでした。
    クヌギはなく、手入れされた雑木林も少ないので、川原のヤナギに注目したところ、すぐに相当な数に出あうことになりました。

    今年もそろそろシーズンに入っております。
    この日見つけたカブトは、日中から樹液に3匹もかたまっていました。

    雌が一匹、雄が二匹。
    大きな雄は雌を大事にかかえて仲良さそうにしている所に、小さな一匹が邪魔に入ろうとしています。

    全然勝負にならない戦いを、何度も何度も挑んでおりました。

    ノコギリクワガタの立派な雄もおりました。
    右前脚の附節から先が無くなっているのは、激しい闘いの結果でしょう。