Kiyoaki Takashima/ 高嶋清明のBLOG

カテゴリー: 昆虫

  • 顕微鏡対物レンズでチョウの卵

    キャノンの5×以上の倍率をどうやって得られるか、色々模索しております。

    先日、顕微鏡対物レンズの良さそうなのを見つけて、写真用に使えるものかどうかもわからないまま入手。メスアカミドリシジミの卵を撮影してみました。

    絞りのないレンズなので、ボケボケになってしまうだろうと思ってファインダーをのぞいてみると、あれ?、思ったより深度があります。コレなら使えるかもと期待しました。

     

     


    でも、深度合成した写真を見ると、結構怪しい部分が見られます。妙にフラットな白い部分がたくさんありますが、そのあたりは、うまく合成しきれなかった可能性があります。いつもより細かいピッチで30枚撮影の合成なのですが、まだ足りないのかも知れません。ボケが強くて、それで合成が難しくなっている可能性もあります。このあたり、さらに追求していきたいと思います。

     

     


    ミズイロオナガシジミも撮影してみました。こちらは、あまり変な感じもなく、キャノンのMP-E65mmでは解像できなかった部分もしっかり見せてくれました。まずいことに、保管中にカビが成長してきたようです。このクモの糸のようなものは、おそらく菌糸でしょう。

    ちなみにこのレンズ、OLYMPUSの金属顕微鏡用の対物レンズ10×です。

  • アオスジアゲハの蛹


    海沿いの林を見てまわっていて、ふと、1本のタブノキが気になりました。高さ2mもない、まだ小さなタブノキの上の方に、いかにもアオスジアゲハの幼虫が残したような食痕が見られます。秋にそこで育ったものがいるとすればと覗き込んだら・・・ありました!!

     


    これまで野外で卵も幼虫も見ていますが、蛹は見つけたことがありませんでした。色は全体にきれいなので、とりあえず寄生されている様子はありません。勘ですが、生きていると思います。羽化は5月上〜中旬かと思います。それ以降に確認すれば、無事越冬できたかどうかも分かるでしょう。

     

  • ヤママユガの卵


    急に冬が戻ってきました。せっかく地面がのぞきはじめた所も、また雪におおわれて、寒いこと寒いこと・・・。室内で、採集してきた卵の拡大撮影&深度合成作業をやっておりました。これはヤママユガの卵。拡大倍率は4×ですが、すでに十分なサイズです。

     

     


    卵の表面には様々な汚れが見えます。緑色の部分は藻類の集まりでしょうか。こんな小さなガの卵の表面にしっかり生き続けているなんて、すごい。。。考えてみれば、この汚れの一つ一つも、微細な生物たちにとっては世界そのものだったりするのかも知れません。ミクロな世界をちょっとのぞいただけで、色々考えてしまいました。まさに、奥の深い世界です。

  • カシワの卵二種

    最近カシワで見つけたゼフィルスの卵を、室内で5×で撮影してみました。注目したのは卵の大きさです。

    庄内のカシワ林に見られるゼフィルスは、ハヤシミドリシジミとウラジロミドリシジミの二種。両者とも卵の形状はよく似ていて区別は非常に難しいのですが、サイズの違いで区別できるとのこと。それなら、いつもの5×固定で撮影すれば、識別できるだろうと思いました。

    撮影したのは次の5個の卵です。


    さあて、やっぱり微妙な差です。
    一枚目の卵は他に比べてやや大きいようです。これがハヤシミドリシジミで、他はすべてウラジロミドリシジミということでしょうか。
    採集した場所についても、実は一枚目のものだけが全く離れた場所で、他はほぼ1km圏内で採集したものです。

    このまま飼育を続けていけば、答が出るのでしょうけど、相当に根気のいることです・・・う〜ん

  • クロモンサシガメの幼虫

    川原の石をひっくりかえしていたら、こんなカメムシの幼虫が何度か出てきました。
    クロモンサシガメの幼虫と思います。

    ちょっと気味の悪い写真ですが、こんなシーンもありました。
    ワラジムシやヤスデの死骸と並ぶようにうずくまっていた幼虫。

    もしや、越冬中も周りの虫を補食するのではないでしょうか?