庄内砂丘に沿って平野側には広く湿地が広がっている。
そこにはハンノキも多く、ハンノキを食草とするミドリシジミも多い。
もう少し早い時間に行った方がよかったのだが、10時くらいにハンノキ林に入った。
朝から日差しが強く、気温も上がってきた。
湿地にいると暑さがよけい感じられる。
最初に見つけた一匹は、何の木か花から蜜を吸っていた。
この花にはミツバチやクマバチをはじめたくさんの虫が集まっていた。
種名を調べてみたい。
エゴノキの葉をまくエゴツルクビオトシブミ。
5月の巻いているものを見送ってしまったが、花の咲くこの時期にも巻くようだ。
右はヒゲナガオトシブミ。キイロヒゲナガではない方の、である。
サルトリイバラにつくアカクビナガハムシ。
作り物のように鮮やかな赤の、1cmに満たないかわいらしいハムシだ。
右はトホシテントウ。
スズメウリだろうか、このところ草地のツル植物についているのをよく見かける。
エゴの花はそろそろ終わりだが、そこに見つけたヒメトラハナムグリ。
毛むくじゃらな姿は、一見するとマルハナバチのようでもある。
ついでに、エゴノキの花に来ていたマルハナバチ2種。
左はコマルハナバチの雄で右はトラマルハナバチ・・・だろうか?
マルハナバチの見分け方は、いまだよくわからないまま。自信がない。
今年から、チョウセンアカシジミの撮影には事前に町の教育委員会(文化財担当)に
届け出る決まりとなっている(電話0238-62-2141)。
私も事前にことわりを入れて、昨年より通っているポイントを訪れた。
今年はチョウセンアカシジミの発生も早まっているらしい。
もうすでに幹に新しい卵がたくさん産みつけられている。
最初、パッと目に入ってくる数は少なめだったが、周辺の下草などをのぞいてみると、
いるわいるわ、確かにかなりの数が発生している。
12時頃、交尾中のものを見つけた。
ここは住宅地の中にある生息地。道路沿いのトネリコより発生している。
近所の人はもちろん、チョウセンアカシジミについてよくご存じだ。
お昼前後、しばらく産卵するものがたくさん現れた。
目についただけで5匹いたのだが、1時過ぎには全く見られなくなった。
そこで、今日は用事もあったので撮影を終了し鶴岡に戻った。
チャンスがあったら、一週間以内に再び訪れてみたい。
昨年見た夕方の乱舞は本当に見事だった。
ところで、長野県東御市のSさんから気になるメールをいただいた。
東御市が天然記念物にしている希少種オオルリシジミについて、衝撃的なニュースだった。
食草のクララの花穂が大量に盗まれていたというのだ(信毎WEBの記事)。
オオルリシジミは6月のはじめに活発に活動し、クララの花穂に産卵、
そして今は幼虫は花穂を食べて育っている。
それをごっそり盗っていったものがいるという、とんでもないことだ。
私も昨年まで東御市の住人で「オオルリシジミを守る会」の会員である。
長野にいた頃もあまり会の活動をお手伝いできなかったが、
熱心に活動されていた皆さんのがっかりされている姿を想うと、本当に悲しくなる。
盗っていったものはいったい何をしようというのだ。
誰も得をしない。悲しみが残るばかりじゃないか。