自分でアップした昆虫ハイスピード動画でも、何度か見返していると、新たに気づくことがあります。今回は、前にアップしたこの動画↓を再編集しました。https://youtu.be/pVIw1vB3rLc半月経って改めて見て思いました・・・再生速度が速すぎ。私自身、もっと再生速度を落として細部をじっくり観察したいと思ったので再編集してアップしました。
・平均棍は翅と真逆に動いています(今更いうまでもありませんが)。・平均棍は翅の動きと必ずしも連動していません。翅は動いているのに平均棍がとまっている瞬間がありました・・・1:04 平均棍がストップする瞬間・翅と同じリズムで小楯板が動きます。・羽ばたきの強弱はそのまま上昇・下降に働くように見えます。
平均棍(ハルテア)は後翅の痕跡器官ではありません。昆虫の特徴でもある4枚翅は、実は飛翔には不自由なもの。進化の過程で、まずは後翅をメインに羽ばたきを行う方向に行くものが現れ、より効率のよく2枚翅を獲得しようと前翅・後翅を連結させるものが現れたようです。そして更に進んだのが、ハエやカなどの双翅類。飛翔は前翅のみの本格的な二枚翅を獲得し、後翅は高度な飛翔に重要なセンサーである平均棍へと進化した・・・平均棍の働きはまだまだ謎の部分が多いようです。↓部位名について、ショウジョウバエの解説ですが、とても参考になりますhttp://www.drosophila.jp/jdd/bodyparts/index.html
0:00 ツマジロカメムシ0:58 クサギカメムシ
カメムシは飛ぶとき、前翅と後翅を連結させて、1つの大きな翼をつくります。スーパースロー映像で見ると、硬い前翅前半とそれ以外の柔らかく透明な翅が作る立体的な形が、効率よく空気をとらえる様子が感じられて実に興味深いです。翅の打ち下ろしでは大きく空気をつかむ形になり、翅の打ち上げでは空気抵抗を少ない形に変えてスタート位置に戻そうとしているようです。この動き、何か思い出しません?水泳で水をかく手のひらの形を微妙に変える、あの感じ・・・さらに、8の字を描くように翅を動かす様子は、立ち泳ぎの手の動きそのもののようです。カメムシの飛翔と水泳には、かなり共通するものがあるのでしょう。いやいや、もしかしたら空を飛ぶ生き物の飛ぶ感覚って、多分に「泳ぎ」に共通なのかも知れません。
空中を泳いでいるのかあ・・・想像するだけで楽しくなりますね。
昨日アップしたナミテントウ動画は縦線ノイズがあまりに目障りで、ここらで本気にノイズ除去に取り組んでみることに・・・。 結果、FinalcutPro用の有料プラグインNeatVideoが唯一満足のいく結果を出してくれました。
若干ですが詳細部分が失われたり、暗部にまだノイズが残っていたり、色々ありますが、及第点と思います。でも、撮影時にノイズが出ないのが一番なので、そちらも引き続き追求していきます。もちろん、本体のFirmwareアップであっさり解決してくれる方にも期待します。
ナミテントウの飛び立ちを5409fpsで撮影。90倍に時間をのばしています。
カメラ:Chronos 2.1レンズ:MicroNikkor 105mm F2.8GODOXのLEDライトSL200WIIを使用して室内撮影
Chronosではじめてオーバー5000fpsの撮影です。ベース感度ISO500のカメラなので、太陽光下ではゲインアップしても5000fpsは厳しいです。なので、強力なLEDライトを一つ新たに買いました。これで撮影の幅も広がるかな!?
この空中ターンは、どう翅を、どう体を動かしているんでしょう。映像を見てもよくわかりません。慣性が働くのをカウンターをあててるみたい。空中を滑っているというか・・・空中の動きのはずなのに、時々、水中の動きのように見えてしまうときもあります。小さな生き物にとって、空気は油のように粘っこいものになるとか・・・