砂浜近くの松林でノウサギを見た。
しばらく、このポーズのまま動かなかった。
ウサギだって綺麗な夕日に見とれることもあるのだろう。
8月9日 山形県鶴岡市 E-520 シグマ150mm+1.4×テレコン
(横位置画面よりトリミング)
砂浜にウサギというのは意外な組み合わせだが、庄内に来てからもう2度目。
久しぶりに山形の永幡さんと庄内をまわった。
クロアナバチの生態写真を撮影するのが目的だが、
今回は巣穴をいくつか、それと成虫を3度見ただけで終わった。
先日キオビベッコウを撮影できたのも、実は永幡さんの熱意に刺激されてのこと。
クロアナバチは小諸でも結局撮影できなかったものだった。
私もいつか必ずツユムシを巣穴に運ぶクロアナバチを撮影したいと思う。
昨日は思いつかなかったが、考えてみれば、先月半ばくらいから
エゾツユムシの声を録音したりしていた。
もうあの頃から、クロアナバチの狩りのシーズンは始まっていたかもしれない。
さて、車で移動中、永幡さんが松林の中にお宝ポイントを見つけた。
そこにいたのはクロタマムシ。
雄の顔は赤いのとそうでないのとがいるそうだ。
8月8日 山形県酒田市 E-520 50mmマクロ+1.4xテレコン
伐採木を積んだ場所を、私はいつも見逃してしまう。
こういう場所はカミキリムシの仲間が多く集まる、虫さがしには重要なポイントなのだ。
海野さんと一緒に走っているときからそうだったけど、
どうもそちらに我がアンテナは向いてくれない。。。
ところで、この時は訪れた時間がちょっと遅かった。
もっと早い時間にいけば、ウバタマムシはもちろん、もしかしたら庄内ずっと記録が途絶えたままのアレの可能性も期待したくなる。
先日、永幡さんがブログにヒロバネカンタンの事を書いていた。
そうかいるんだ〜。一昨年の秋に柏崎の浜辺で姿を見て以来、声も確認していなかったヒロバネカンタン。
これは録音のチャンス!
でも、昨夜は出かけたのは、まずはヒロバネカンタンを目当てではなかった。
ハタケノウマオイやマツムシが新潟にいて山形にいないのが、どうも信じられず、
それを確認しようと川沿いに海まで走ってみたのだ(もちろん車で)。
そして、河口までたどり着いたとき、そこは今まで聞いたことのない虫の声に満ちていた。
これはもしやと灯りを照らしてみたところ、確かにヒロバネカンタンであった。
色合いは違っても、翅の感じなどカンタンとうり二つ。でも声は全くちがう。
久しぶりに、録音していて楽しかった。
声は「音集め」で
数日前、キリギリスの声を録音したのだが、草の影に潜んでいて姿が見えない。30分は探して、こりゃいかんと諦めたのだが、さらに車のカギを落っことして・・・。
日射しとは関係無しに、頭が熱くなってしまった。
どうやらこちらの攻め方が悪かったようだ。長野で追っかけていたキリギリスとこちらのキリギリスは、性格がはっきり違う。
鳴いているそのものを撮影できないので、その辺りに踏み込んで
逃げ出したところを撮影する作戦に変えてみた、すると。。。
長野ではそれでよかった。すぐに威勢よく飛びだしてきて、
その後を追いかけるのが大変なくらいだった。だが、庄内のキリギリスはじっと動かないで、危険が去るのを待っているようだ。
まるで擬死しているかのようで、触っても逃げないこともあるくらいだ。それが分かったら、何とか姿を見つけることはできるようになった。見つけてしまえば、そのような性格だから、撮影するのは割と簡単だった。
昨年の今頃もカリバチの撮影をしていた。なんといっても真夏の暑い盛りが観察のチャンス。種類も多く、ハチたちの獲物も多いのだろう。
何となく浜辺に出たくなり日没近くある砂浜に向かったところ、そこにお宝が待っていた。キオビベッコウというカリバチである。もうすでにクモを埋め終わったのか、穴の入り口をふさいでいるところだった。明日はまたここに来てクモを埋める過程を撮影できるかなあ、などと考えながら、その場を通り過ぎて更に浜辺に降りていった。
日も落ちて、まさに「たそがれ時」の暗さの中、来た道を戻り始めてすぐに驚愕の光景を目にすることになった。さっきまで何もなかった砂の道に、キオビベッコウの巣穴がいくつもあいているのである。割と狭い範囲に7つもあいている。なんだこれは。。。。正しくは今ちょうど、穴を掘っているところだった。
え〜どうして?真っ暗なんだぜ。。。
予備知識のない私は、何だかわけがわからない思いで、一匹に集中して撮影を始めた。時間は19時10分。
実はこのとき懐中電灯を持っていない。遠くに止めた車にも入っていないかも知れない。幸いストロボにモデリングランプがついているので、それを頼りに撮影している。実際は、全くの闇のなか。
獲物は1mほど離れたヨモギにかけてあった。まるまる太ったナガコガネグモだ。穴を掘りながら2度確認に行ったので、獲物を仮置きしている場所がつかめた。しかし、その様子は残念ながら撮り逃した。
しばらく穴の奥に入ったまま姿が見えない。今、産卵しているんだろうなあと想像しながら待つ。やがて再び表に出てきたハチは、穴埋め作業に移った。少しずつ砂をもどし、尾端で叩いて固めながら丁寧に穴をふさいでいく。
工事現場でダダダ・・・と砂利を固めているあの機械(ランマーというらしい)のような動きだ。ストロボで撮ると動きが見事に止まってしまい、残念ながらその動きは写せていない。
まわりのハチの中でも最も深く穴を開けていたようで、この一匹だけ随分時間がかかった。穴を埋め終えたのは20時52分。
さあこれで終了と思いかけたところ、ハチはそこから次の奇妙な行動に移る。すぐ後ろに別の穴を開け始めたのだ。灯りをあてられて頭がおかしくなったかと心配になった頃に、その穴を埋め始めた。たまたま近くにやってきたゴミムシダマシも不思議そうに覗き込んでいるように見えた。「なにしてんの〜」
この奇妙な行動は、実は隣のハチにも見られた。必ずやるのか、よくやる程度なのか分からないけれど、ダミーの穴を掘っているように思えた。
さて、二つめの穴を埋めたら、今度は巣穴周辺に砂を飛ばして表面をキレイにする。お尻で穴をふさいでいた動き同様、これも写真には写せていない面白い動きだった。モーターで振動するおもちゃが机の上を滑るように動いているような感じ。。。
だめだ、うまく表現できていないです。
全てが終了したのは9時半過ぎ。
実は、完全に終えたかどうかよくわからない。ハチが突然作業をやめて、灯りに飛んでくるようになってしまったからだ。何か、突然、産卵行動のスイッチが切れてしまったかのようだった。
帰って調べたら、キオビベッコウは夕方までに狩りをすませて暗くなるまで待機しているらしい。そして日没を待って、作業を開始するわけだ。目的は、まず間違いなく寄生バエ対策だろう。明るいうちに、クモを運ぶキオビベッコウを見たときは、確かに寄生バエが近くにいたけど、この夜の作業中、ただの一度もハエなど見なかった。
それと、キオビベッコウは何だか同種間で泥棒まがいの事をやるらしい。もう1つダミーの穴を掘っていたのは、その対策ではないだろうか。