一週間経って、スミナガシの幼虫は立派な終齢幼虫に成長していました。
同じ幼虫とは思えないほどの大変身。
色は緑の葉に似た変わり、頭部の角は長く湾曲した立派なものに・・・

葉を食べる幼虫を正面から見てみます。

終齢幼虫の顔はインパクトがあります。例えるなら、絵でしか見たことのない西洋の道化のような。
シノリガモの名前の由来を調べたときに出てきたアルレッキーノやら、トランプのジョーカーやら
何だかそんな連中が頭に浮かびます。
7月末の一週間、幸運にも高速度HDカメラを使うことができました。>>>
フォトロン社製 FASTCAM SA1.1 最大解像度1024×1024ピクセルで最大秒5400コマまで撮影が可能です。
解像度1024ピクセル正方形とは、HDといっても画素数が足りないように思われるかも知れません。
でも全然そんなことはありません。ハイスピードカメラとしては驚くべき高画質です。
静止画を1枚取りだしてみましょう。

ちなみにトンボの飛翔は1/3000秒でも止められません。このようにぶれてしまうのは当然の結果です。
でもおわかりでしょう。大型の画像素子を使っているため絵に余裕があります。
ボケ味もなかなかです。
では、今回作成したサンプルBlu-rayから一部、紹介しましょう。
カメラはトンボをフォローしているように見えますが、さすがにそれは人間業では無理なこと。
これは編集上のワザです。
驚くべきは、こんな無理なトリミングも可能なくらい高画質なことでしょう。
不正使用防止のため、邪魔な文字をいっぱい入れました。悪しからず。
このFASTCAMのテスト撮影は、横浜の平岡商会さまよりお世話いただきました。
ありがとうございました!
ふと思い立って、クツワムシに会いに遠出しました。
代表的な鳴く虫の一つとして必ず紹介されるクツワムシですが、私には縁の少ない虫です。まともに接したのはもう15年も前のこと。1996年の埼玉で撮影して以来ごぶさたしています。事前にネットで調べたところでは、新潟ではしばらく記録がなく、富山でも希少種とされている様子でも、更にお隣の石川県の方は、そう珍しくない昆虫として紹介されているように見ました。それでは、私も石川県周辺にアタリをつけてみることにしました。
夜7時頃に小松I.C.で高速をおり、あてもなくしばらく走っていると、一時間ほど経った頃、ようやく「ガチャガチャ・・・」の声が聞こえてきました。ヨカッタ!ここまで遠出して空振りするわけにはいきませんから、まずはホッと一安心。

それから写真・ビデオ撮影、声の録音と、人目につかないよう深夜まで怪しい取材を続けたのでした。
緑色の雄。最初、褐色型の雄ばかり目に入ってきて、緑のものはいないんじゃないかと心配になりましたが、そんなことはありませんでした。

濃い茶色の雄。声がたくさん聞こえる場所には様々なタイプが見られました。

雄は鳴いているので見つけやすいわけですが、鳴かない雌も結構目に入ってきました。それだけ数が多いということでしょう。
下はカナムグラの若葉をかじる雌。

現在、日本海側のクツワムシの北限はどのあたりなんでしょう戻ってから調べ直すと、一昨年、上越で採集されたような情報もチラッと見えてきます。今回は確実にとらえたかったので、ずっと西を目指しましたが、新潟で撮影できるのなら余裕もって取材できるのでありがたいところです。
ヒメオオクワガタなんて、小さいのか大きいのかどっちなんだ!
そう言われて、なるほどと笑ってしまいました。いやいや気がつかなかったな。。。
虫の名前にはこうしたものが非常に多いわけですが、私ら虫好きがほとんど気にならないのは、
子供の頃から少しずつ慣らされてきたからでしょう。
本日、標高1000m地点でようやく見つけたヒメオオクワガタは、さらに頭にもう一つ
「ヒメ」を加えたいようなヤツでした。

コクワガタとの違いは前胸部の形状。
後ろの角がカクッと斜めにえぐれています。

正直ちょっと微妙ですが、ヒメオオクワと判断しました。
次はもっと大型の誰が見てもヒメオオクワガタというヤツに会ってみたいです。